てんかんの外科治療

脳腫瘍、皮質形成異常、結節性硬化症など大脳に明らかな異常がある場合、病変を取り除くことによって発作が消失します。脳MRIで明らかな異常が認められなくても、症状や脳波検査の結果から、てんかんを生じる焦点となっていると推定される場所を切除することにより、てんかん発作が消失することがあります。なかでも内側側頭葉てんかんは、側頭葉の内側にある海馬や扁桃体が関係した発作で、内側側頭葉を切除することにより7~9割で発作の著減あるいは消失が望めます。
小児期の発作、特に転倒する発作を減らす手術として脳梁離断術があります。約5〜8割で発作を著減する効果が期待できます。
頭の手術に抵抗がある場合や、てんかんの焦点が大脳のどこに存在するがわからなかったり、脳を切除すると脳機能に障害を残す恐れがある場合は、開頭して大脳を切除することを行わず、頸のところにある迷走神経を刺激するペースメーカーのような装置を胸に埋め込む手術もあります(迷走神経刺激療法)。
脳梁離断、迷走神経刺激療法とも緩和手術と言われ、てんかんの原因となる部位を切除するわけではないので、発作の完全消失は望み難いです。しかし、迷走神経刺激療法でも3年の経過の中で、発作が半分に減るという人が半分居るという結果が得られています。

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